マンマ団は殺人集団だった。
マンマとは幼児語で食事のことだ。幼児語を使う殺人者集団ということで、彼らはマンマ団と言う名前が付いた。
「俺達は飢えている。マンマを寄越せ!」
「何でも食べさせてやる。だから命だけはお助けを」
「俺が飢えているのはおまえの血だ!」
「ひぃぃぃぃ!」
警察は、幼児語を使う大人こそマンマ団だと判断して、捜査を開始した。
だが、捜査官は驚愕した。
「大変です。候補が多すぎて絞り込めません!」
「なんだと!?」
「ほらネットを検索すると、【うまー】とか【もえー】とか幼児語を使う大人ばかり」
「任せろ、全員逮捕して【やんよ】」
逮捕第1号は【やんよ】という幼児語を使った彼だった。
(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)