「やっと気づいた」
「何だよ」
「ヤマトよ永遠には、面白いと断言する人もいるが、けっこうシオシオだと思った人も多い。なぜだろうか」
「なぜ?」
「実は新たなる旅立ちには、けっこう水準を超えた冴えた描写がある。まあしょうもない描写も多いのだけどね」
「それがどうした」
「つまり、劇場新作だからヤマトよ永遠には新たなる旅立ちよりマシになるはずだと思っていると思いっきり肩すかしだったわけだ。新たなる旅立ちで良かった要素が何も無いのだからね」
「つまりなに?」
「その時点で、レベルダウンが強調されてしまう。実際よりも悪く見えてしまうのだ」
「だから、実際よりもシオシオと感じてしまうわけだね」
「でも、新たなる旅立ちを基準にしていない客からすれば、別に面白いと思ってもおかしくないわけだ」
「ああいう映画だと最初から思えば、何もおかしくないわけだね」
「そうだ。つまり、新たなる旅立ちが与えた先入観の問題ではないか」
「でもさ。それでも永遠にって、しょぼい描写が多いよ」
「そうだな。一瞬で壊滅するゴルバ部隊とか。なんだそりゃって描写も多い。それでも、新たなる旅立ちの先入観の有無で印象は変わると思う」