2015年04月30日
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三百字小説『殺人集団ランマ団』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ランマ団は殺人集団だった。

 ランマとは欄間のことで、和室の欄間を通してよく相手を狙うので、その名が付いた。

 そのランマ団から、「今宵は、強欲豪蔵氏のお命を頂戴する」という予告状が届いた。

 警察は必死に全ての欄間を塞いだ。

 「じゃが、それでも不安だ。わしは欄間の無い洋室で一晩を過ごすことにするよ」

 強欲豪蔵氏は全ての使用人を帰宅させ、警官も追い返すと洋室に引きこもった。

 だが、洋室の窓から古民家園が見た。

 「まさか! 古民家の欄間を通してこちらを狙撃する気では!」

 豪蔵氏はその場に伏せた。これでもう安心だ。

 だが、結局彼は死んだ。

 欄間を塞ぐために使用した充填剤が実は全て爆薬だったからだ。彼は家ごと吹き飛んだ。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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