ランマ団は殺人集団だった。
ランマとは欄間のことで、和室の欄間を通してよく相手を狙うので、その名が付いた。
そのランマ団から、「今宵は、強欲豪蔵氏のお命を頂戴する」という予告状が届いた。
警察は必死に全ての欄間を塞いだ。
「じゃが、それでも不安だ。わしは欄間の無い洋室で一晩を過ごすことにするよ」
強欲豪蔵氏は全ての使用人を帰宅させ、警官も追い返すと洋室に引きこもった。
だが、洋室の窓から古民家園が見た。
「まさか! 古民家の欄間を通してこちらを狙撃する気では!」
豪蔵氏はその場に伏せた。これでもう安心だ。
だが、結局彼は死んだ。
欄間を塞ぐために使用した充填剤が実は全て爆薬だったからだ。彼は家ごと吹き飛んだ。
(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)