「かなり暗い映画だなあ。でも、そこがいい」
「どのへんが暗いの?」
「自分で激情に駆られて呪いを掛けてあとで後悔するとかね。国王はマレフィセント騙すし。子供を育てる妖精はボンクラ3人組みだし」
「でも、そこがイイの?」
「そうだな、人間味がある」
「他に何か言うことは?」
「結局、夜ノヤッターマンの善悪逆転の企画はこれの影響なんだろうけど、あまり上手くやれなかった気がするな」
「なぜダメなの?」
「難しすぎる」
「シンデレラを先に見ちゃったワケだけど?」
「シンデレラにおける継母の魅力的な描写は、マレフィセントというマイルストーンを踏み越えた先にあったということだろう」
その他 §
「実はこの映画、登場人物が少ない。マレフィセントの相棒は事実上カラスだけ。他の仲間は遠景からほとんど出てこない。これは良い特徴だ。カラスが人間になったり狼になったりドラゴンになることで、話が複雑になりすぎることを回避して分かりやすくなっている」
「それも好ましいわけだね」
「そうそう。登場人物が多すぎるのはダメな作品。誰も金を払ってまで暗記仕事をしたくはない」