2015年07月09日
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三百字小説『けったくそ悪いケッタ』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 自転車で悪さをするケッタ三兄弟は鼻つまみだった。彼らの自転車はケッタ1、ケッタ2、ケッタ3と言って、泥水入りの水鉄砲装備だった。

 泥水で汚された人々は、逆襲に転じてケッタ1とケッタ2を修理工場送りにした。

 残ったのはケッタ3だけだった。

 しかし、ケッタ3を操る三男は狡猾で誰も入らない泥沼に入って泥水を発射した。

 人々は帰路を待ち伏せて、ケッタ3をひたすら蹴った。

 三男は泣きながら帰っていった。

 だが翌日三男は自転車に乗って再出現した。

 「まさか」

 「もうケッタマシンは無いはずだ!」

 「わははは。これは妹のだ。密かに改造しておいたのだ」

 しかし、勝手に自転車を使われた妹が怒りの形相で現れると、三男を蹴った。

(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)

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