「あ、突然分かった。ガトランティスはガトリングなんだ」
「どういう意味だよ」
「ガトリング砲、ガトリング銃というのは、複数の砲身を束ねて回転させながら撃つ武器なのだ。いわゆるバルカン砲もこれにあたる」
「それがどうした」
「実は、ガトランティスの武器は回転する多銃身式が多い。駆逐艦の主砲が回転しながら撃つのも、都市帝国の下部の砲塔が回転しながら撃つのも、どちらも【回転する多銃身】。それをガトリング式と呼ぶならみんなガトリング。都市帝国の回転ミサイルも回転しながら撃っている」
「えー」
「ゴーランドのミサイル艦とか、超巨大戦艦の大形砲とか、回転しない兵器もあるよ。でも主力兵器はみんな回転しながら撃つ」
「それがガトリングだから、国家の名前もガトランティスってことだね」
「さて、そこを起点に考えると、追憶の航海の加戸監督作品である光と闇の遺産で、ロックマンの無限バルカンが、ちゃんと回転しているように描いてあると感動したのは正しかったことになる」
「関係ねえ!」
「問題はその先」
「なんだい?」
「ガトランティスの主要武器がガトリングだとすると回転は基本的に止まらない」
「それで?」
「止まりながら撃つヤマト2の回転式砲塔は、理屈は通っているが表現として良くない」
「なるほど」
「それから回転式とそうではないデザインが混在しているのはデザインの一貫性も欠く。これは他にも事例が多く見られるから砲身に限らないがね」
「ひ~」
地球側は §
「地球側は回転しない並列多砲身が基本と思われる」
「たとえば?」
「古代が持ってきた多弾頭砲」
「他には?」
「コスモタイガーの機銃。あれも回転しない並列多銃身」
惜しむらくは §
「結局、惜しむらくは全体が一貫していないことだな。一貫性の欠如はいろいろあるのだけどね。これもそう」
「ガトランティスは回転式の武器、地球は回転しない武器になれば、非常に敵味方が分かりやすくなったはずだということだね」
「そう。ザバイバルの拳銃はガトリング拳銃だとか。そういう設定があれば良かったね」
提言 §
「もし、さらば宇宙戦艦ヤマトないしヤマト2をリメイクするのなら、デザインを全て見直してポリシーを一貫させると良いと思うな。ガトランティスの武器は全て回転式多銃身。地球の武器は回転しない並列多銃身」
「待っているの?」
「待ってないよ。今のまま強引に作ったって、ろくなものはできないのが目に見えている」
「なんて君は濁った目をしているんだ」
「方舟という名の果てしない絶望を見てきたからな」