「ハナ肇主演、山田洋次監督である」
「なるほど。クレージー映画を見るから、これも見たわけだね」
「ところが、ビックリ。脚本が山田洋次、宮崎晃の連名」
「宮崎晃って誰?」
「名劇中興の祖、斉藤宮崎コンビといえば、ペリーヌやカトリなどで有名」
「へー」
「シナリオはとてもしっかりしていて、意外な形で最初に提示された主題を回収して終わっている。見事なものだ」
「へー」
「でもね。墓を掘って温泉を探す。まるでこち亀って気もした」
「まさか」
「こち亀の原形の1つがこの映画だと思って良いと思うよ。きっと、秋元さん、映画館に入り浸ってこれも見た」
「他には?」
「婆さんの性格が面白い。それから洋風の家に神棚がある描写も面白い。ジープやアメ車も出てくるし、機は17系らしいディーゼルカーも出てくるし、旧型客車も出てくる。普通の温泉街をジープが走り回る世界は、やはりこち亀に近い」
「楽しいわけだね」
「映画そのものも面白いよ」
「他には?」
「社長シリーズの常連、加東大介が出ているが印象がかなり違う。面白いね」
「それだけ?」
「若い頃の倍賞千恵子って可愛いなあ」