赤崖はレンジャーだった。広報に協力してモデルになったところ、通称赤レンジャーとして名前が売れてしまった。
「街を歩いても野次馬が寄ってくるので、どうしよう、青崖」
赤崖は仲間に相談した。
「顔を隠せばいいんだよ。仮面を付けてみたら?」
赤崖は仮面を付けてバイクに乗って外出した。
すると、仮面のライダーとして有名になってしまった。
「赤い仮面は目立つよ。どうすればいいだろ、白崖」
また赤崖は仲間に相談した。
「仮面が派手だからいかんのだ。もっと地味な都市迷彩に塗れば良いと思うぞ」
「なるほど!」
赤崖は仮面に迷彩塗装を施した。
そして、また目立った。
(遠野秋彦・作 ©2015 TOHNO, Akihiko)