2016年01月21日
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三百字小説『猿のグンたん』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 グンたんは猿だった。

 だから猿知恵しか浮かばなかった。

 ある日、グンたんは高い木にバナナを発見した。丁度、すぐ横に棒が落ちていた。

 グンたんは棒を使ってバナナを落としてそれを食べた。いくつかは、落下時に傷が付いて食べられなかったのが残念だった。

 しかし、木登り上手な猿である以上、グンたんは少し高くても簡単に木に登れた。グンたんは、自分が木に登ってバナナを取る方法を考えていなかった。そうすれば、傷を付けずに全てのバナナを回収できるはずだった。

 やはり、グンたんの知恵は猿知恵だった。

 しかし、グンたんの猿知恵は仲間に伝播した。

 猿知恵軍団は効率よく食料を調達しようとして、あっさり罠に掛かって全滅した。

(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)

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