「鉄人28号では、金田正太郎が自動車を運転していた」
「子供のくせに!」
「実は、【子供が運転する自動車】は無謀でも無いことに気づいた」
「ダットサン・ベビイか!」
「子ども免許が存在し、ダットサン・ベビイという専用車が存在し、子供のくにの専用道路のみとはいえ子供が200ccの超小型車を運転できたのだ」
「そういう時代には、子供が大型車を公道で運転する描写も説得力があるのだね」
「と思ったのだが、実は時代が噛み合わない。ダットサン・ベビイは1965年。アニメの初代鉄人28号が放送開始されたのは1963年」
「ええっ?」
「原作まではフォローし切れていないが、原作の開始は1956年」
「どういうことだよ」
「つまり、時系列は逆で、アニメなどに見られた【車を運転する子供】を現実化するためにダットサン・ベビイはあったと思う方が良いのかも」
「これはビックリ」
大作少年が運転するKR200 §
「地球が静止する日で、メッサーシュミットKR200を運転する大作少年。この車、実は191ccで、ダットサン・ベビイの200ccとほぼ同クラス」
「子供が運転しても違和感の無い水準の自動車ということだね」
問題はその先 §
「しかし、このテーマは考えると奧が深いぞ」
「というと?」
「火の無いところに煙は立たない。【車を運転する子供】が、そう簡単に出てくるわけがない」
「というと?」
「実は、実際に車を運転していた子供が普通にいたのではないだろうか。あちこちに」
「無免許で?」
「いや、そうではないようだ」
「というと?」
「【昭和21年、戦時中の特例処置として行われたいた免許年齢の引き下げが解除され、普通18歳、小型16歳となった】という説明がネットのあちこちにあるので、戦時中の特例処置としてもっと低い年齢でも免許が取れたのだろう。実際に14歳で免許を取っている事例がネットを検索して出てきた」
「子供です、子供が車を運転しています!」
「しかし、その詳細は調べきれなかった。何歳から運転可能だったのか。いつ制度が施行されたのか。はっきりしない」
「なるほど」
「論点はもう1つある」
「まさか」
「昭和21年といえば戦後の混乱期の最中だ。その頃に、はたして法律は守られていたのだろうか。闇市が普通にあった時代だ。それまで運転していた子供に、そのまま運転させていたのではないだろうか。一般的に」
「つまり以下の3点だね」
- 戦時の特例で行われた免許年齢の引き下げは何歳まででありいつからだったのか
- 戦後の混乱期に子供は自動車を運転していたのではないか
- 子供が運転する自動車が漫画アニメの表現に影響を与えていたのではないか?
「こういう話は、14歳でロボットを操縦するアムロとか、高下駄作戦で子供がロボットを操縦するバイファムのイメージの原泉かも知れないね」
「かもしれないが、もう1つ、良く分からない昭和20年代にスポットライトを当てる手段の1つでもあると思うよ」
「なるほど」
「それから三角乗りで大人用自転車に乗る子供のイメージとも何か重なる部分があるような気がする」