「必殺4という映画を見たのだが、そこで良く分からない言葉が出てきた」
「それはなに?」
「石見銀山。どうも毒薬の名前らしい」
「それで?」
「思わず調べた」
石見銀山では砒素の鉱石は産出していないが、同じ石見国(島根県西部)にあった旧笹ヶ谷鉱山(津和野町)で銅を採掘した際に、砒石(自然砒素、硫砒鉄鉱など)と呼ばれる黒灰色の鉱石が産出した。砒石には猛毒である砒素化合物を大量に含んでおり、これを焼成した上で細かく砕いたものは亜ヒ酸を主成分とし、殺鼠剤として利用された。この殺鼠剤は主に販売上の戦略から、全国的に知れ渡った銀山名を使い、「石見銀山ねずみ捕り」あるいは単に「石見銀山」と呼ばれて売られた。
「これでおしまいだね。謎は全て解けた」
「待て待て」
「は?」
「その数行下を見よ」
「脚注?」
「そう」
「豊田有恒 『世界史の中の石見銀山』が何カ所か参照されているではないか」
「なるほど。豊田有恒といえば、韓国ワードだ」
「ヤマトワードだよ」
「しかし、まさか石見銀山でヤマトワードを見ることになるとはね」
「うむ。最初に見た時は驚きだった」