2016年05月13日
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感想・映画「罪の余白」

Written By: トーノZERO連絡先

「まあ、一応面白いことは面白いのだが……」

「だが?」

「全般的にたるい。もっと短くて良かった映画。それから主人公の男が少し大人としては知恵がなさすぎる。犯人の女の方は子供にしては過剰に賢すぎる。ヒロインは大人にしてはあまりに自信がなさすぎる。少しアンバランスな感じだ」

「アンバランスか」

「それから、犯人の女のえげつない言動が前に出すぎて、過剰に押しつけがましい。ちょっと行きすぎ。その分だけ、周辺の描写が甘くなっている」

「それは何が理由だと思う?」

「うん。おそらく原作者が若すぎる……と思って調べたら1984年生まれだった。おいらの20年年下だよ。32歳だよ」

「まとめて」

「意味のあるものが書けるのは35歳以降という説は正しいのだろうな、と思った。まあ、映画が原作をきちんと反映しているのかという問題はあるがね」

「いや、そこじゃなくて。映画の話。映画の感想をまとめて」

「情感豊かに流れる時間があるのだが、その情感に感情移入できるのかと言えばそこは別の問題で、結局見ている側としておいらが取り残されてしまった部分がけっこうある」

「うーん」

「アイデアは良いし、つまらない映画ではないのだがね。弱点もけっこう目に付いたということ」