「うーん。つまらない映画では無いとは思うのだが……」
                    「どこに問題が?」
                    「盛り上げれば情感で感情移入できるという無条件の前提を置きすぎで、序盤から置いて行かれた。え、何? なんでそうなるの? どういう展開? という感じで盛り上がっているはずなのだがぽつんと置いて行かれて、単調な映像が続くだけに見えてしまう」
                    「それは長すぎる害?」
                    「そう。映画は120分を超えるとなぜか焦点がぼやけやすくなる。何をどう見たらいいのかが掴みにくくなることが多い。不思議なことだがね。そういう意味で、この映画も同じかもしれない」
                    「他に何か?」
                    「原作も1冊読んで乗れなかった経験があるから、もともとそういうものかもしれない」
                    「ひぃ~」
                    「菅野よう子の音楽は良かったよ」