感想・映画「0（ゼロ）の決死圏」

「変な映画らしいので見た」

「それで中身は?」

「スパイアクションなのだがね。中国に潜入して生還するまで。特徴は音をモニターする装置を埋めこまれたスパイが、ずっと本国で音をモニターされ続けるところ。爆薬も仕掛けられているのは無理があるが、これはサスペンスを盛り上げるためだろう。事実、爆破寸前に国境を越えてテープを引っ張って爆破を止めるシーンは良かったと思う」

「で、結局ポイントはどこ?」

「最終的に失敗して逃げ出したと思わせつつ、実はお目当ての酵素は入手済みという展開が面白いのだと思う。中国軍が不審な電波の発信源を特定する描写も良かった」

「それで中身はまともと思っていいの?」

「確かに小さな装置で位置がはっきりと分かりすぎるし、爆薬まで入っているというのは無理がある。いろいろ無理があるのは事実だと思う。酵素も嘘くさい」

「それでもいいの?」

「この無理を是としないならガンダムも無理がありすぎて是とできないぞ」

「じゃあ、是としないわけだね?」

「是としないが、設定の無理が理由じゃない」

「じゃあ、なんだい?」

「そもそも、つまんないんだよ。けっこう眠い映画だ。終盤ちょっと面白いけどね。でも最後はグダグダだ」