クラスメートのKDやTNは、頭をパーマにしたとたんにモテモテになった。
そこで、アーノルドもパーマをかけようと思った。
ところが、直前になって戦争が始まりパーマは禁止となってしまった。道具が兵器を作るために供出されてしまえば、こっそりパーマをかけることもできない。
ところが状況が一変した。
贅沢は敵だの標語で、既にパーマをかけていたKDやTNが反省を求められたのだ。
彼らはパーマを失うどころか丸坊主にされた。
アーノルドはしめしめと思った。まだ髪が長いアーノルドの方が格好良かったのだ。
アーノルドはいつもより丁寧に髪を整えて学校に行った。
しかし女子がいなかった。
「女子はどこだ」
「田舎の学校に集団疎開したよ」
(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)