「最近思うのだけどさ」
                    「うん」
                    「なんで、ファンが考えた2199話や2199設定って2199本編より面白いの?」
                    「さあ」
                    「何か理由を考えてよ」
                    「リミッターの問題じゃないかな」
                    「リミッターとは?」
                    「プロがやると【してはならない】という制約が数多く存在する」
                    「アナライザーはスカートめくりしてはならないわけだね」
                    「それだけではなく、たとえば【今どきの多数派のオタクが好まないことは避ける】とかね」
                    「そういう意味なら【今どきの多数派のオタクが好むことを取り入れる】もあるね」
                    「まあそうだな。だからアホ毛が入る」
                    「ファンが考えるとリミッターが無いんだね?」
                    「作り手内部のしがらみは全て関係ないからファンの発想は無限に暴走できる」
                    「それだけだと思う?」
                    「作り手側の発想の萎縮という問題もあると思う」
                    「それはなんだい?」
                    「今のオタクの平均レベルはそれほど高いものではない。1970年代にガッチャマンだトリトンだヤマトだと騒いだ世代よりも落ちると思って良い。そういうレベルに向けて日常的にアニメを作っているスタッフは、そういう水準に頭が慣れてしまい、チャンスがあってもそこから抜け出しにくいだろう」
                    「分かってる人はいるんじゃないの?」
                    「いくらでもいるだろう。しかし、集団作業のアニメでは【私だけ分かっている】はほとんど意味を持たない。全体が連帯して動かないと作品は形にならないのだ」
                    「ファンの妄想は、本人が分かっていればいくらでも暴走可能であり、そこに差があるってことだね」