「うーん、残念。どこを切っても構成要素が安っぽい」
「盛大に挫折しているけど?」
「挫折すら安っぽいから根が深い。表面的な刺激に走りすぎ」
「どこが一番引っかかった?」
「今更江ノ電見たくないわ」
「そこかよ」
「あと、主人公の顔があまり映画の主役っぽくなかった」
「映画俳優じゃないから?」
「それはあまり関係ない。誰が主役でも主役の顔になる時はなる」
「他に何か?」
「校内で著名なチアリーダーチームのパシリをしている、ということは、実は校内ヒエラルキーは低くない。単純に利用されているだけとも言い切れない」
「うーむ」
「コーチまでわざとらしい挫折を織り込んでいて、ますますストーリーが嘘っぽくて感情移入の妨げになった」