2016年10月27日
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三百字小説『宇宙はヒロイン』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 宇宙はヒロインになった。

 なぜなら地球から発信されるテレビ電波を見て、可愛くて強い戦闘ヒロインに憧れたからだ。

 「あなた悪役やってよ」

 宇宙は、平行宇宙に頼んだ。

 平行宇宙は閉口した。宇宙達が、正義だ悪だとやったら宇宙の役目が果たせない。

 そこで平行宇宙は一計を案じて、可愛くて強い戦闘ヒロインが悪として討伐される惑星を見せた。それもまた宇宙に実在する惑星だった。

 「きゃー、可愛くて強いはずなのに悪として討伐されてる」

 「そういう惑星もあるんだ。これでも、宇宙はヒロイン?」

 宇宙はため息を付いた。「宇宙は広い」

(遠野秋彦・作 ©2016 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦