2017年02月09日
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UQ HOLDER連載第133回感想【ネタバレ注意】

Written By: 川俣 晶連絡先

「いやー、面白いね。毎度面白いものをよく描けると思うよ」

「どの辺が良い?」

「緊張から弛緩へ話を展開して、読者をあちこちに引き回した挙げ句最初に提示されたモチーフに回帰するのだよ。お手本にしたいぐらいに上手い構成だよ」

「他に似たような例は無いの?」

「うん。たとえば、ガオガイガーFINALのラストバトルが似ている。必至に戦って分散した全員が負けるがまさかの逆転で大勝利。と思ったらまたひっくり返される。でも、そこで最後にまさかの再逆転」

「同じと考えて良いの?」

「いいや。実はね。ガオガイガーFINALの場合、勇者ロボがいくらボロボロになっても機械に過ぎないから痛みが分かりにくいのだよ。でも、UQの場合は生身でやってるから痛みがストレートに来る。こっちの方がいいね」

「今回の内容にもっと他の感想はあるかい?」

「うん。やはりラカンの戦闘がデタラメで面白い。これが敵に回ると本当に恐ろしい。恐怖感があるよ」

「クウネルさんは恐くないの?」

「やっぱり恐い」

「他には何か?」

「ストーリーを回転させる切り札になっているのは最弱のキリヱだってことは面白いよねえ。本当に決意を持って身体を張ってこそ、物事が動く。それなりに強い者は強さで戦おうとして負けてしまうが、弱者は決意で戦う。決意の対決になれば、小手先の戦闘力は意味を失う」

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