2017年03月16日
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経堂・宇奈根間の小田急電鉄出願路線

Written By: 川俣 晶連絡先

「このブログ記事の地図が面白かった」

「どこが?」

「西武の多磨墓地前・杉並車庫間の出願路線が描かれている。多磨墓地前までの西武未成線は自分も注目するところは大だ」

「でも大した情報は無いよ」

「そうだな。しかし、もっと面白いものがあった」

「なんだよ」

「経堂・宇奈根間の小田急電鉄出願路線」

「は? 共同はともかく、宇奈根ってどこ?」

「東名高速の東側。野川と多摩川の中間の領域。砧や大蔵に近い」

「宇奈根に凄い団地とか凄い住宅密集地とか凄い観光地があるの?」

「別に無いな」

「じゃあ、謎だな」

「謎と決めつけたものではない」

「どういうこと?」

  • 都営ゴルフ場(現砧公園)を経由する
  • 移転してきたばかりの農大を経由する
  • 馬事公苑を経由する
  • NHK技研を経由する
  • 終点宇奈根は、東急砧線の終点に隣接している

「つまり、遊興客も学生も砂利輸送も期待できたってこと?」

「そうかもしれない。割と鉄道空白地帯もカバーするし、何らかの勝算があっての計画ではないか、という気もする」

「では、なぜ実現しなかった? 今に至っても実現していない?」

「戦後の混乱期に新路線を建設するのは難しいし、多摩川の砂利輸送も下火になっていく一方だ。建設費も高騰する一方だ。しかも、農大に行くだけなら経堂から歩けば十分だし。必要性は薄いと思う」

「NHKの技研とか砧公園は意外と不便だよ」

「かといって、鉄道を引くほどの輸送需要があるとも思えない」

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