2017年04月27日
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三百字小説『チョロ坊の石』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 チョロ坊は貧乏だった。

 そこで、道ばたで拾った路傍の石を売って金にならないかなと考えた。

 もちろん、そのままでは売れない。

 重要なのは付加価値だ。

 チョロ坊は、万病に効くハンドパワーを封じ込めた魔法の石として、落ちている石を売ることにした。

 魔法の石は飛ぶように売れた。

 チョロ坊は裕福になった。

 しかし無理が祟って身体を壊してしまった。

 チョロ坊の客達が見舞いに押し寄せてきた。そして、魔法の石をお見舞い品としてみんな置いて行った。チョロ坊には全快して欲しかったからだ。しかし、チョロ坊は良くならず、代わりにチョロ坊の家が石の重みで全壊した。

(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)

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