「沖田艦長、見てご覧なさい、あの超ハイカラなヤマト2202を。ヤマトのことを覚えているのはわしらだけになってしまったようじゃ」
「そういう話をしているわけではない」
「じゃあなんだい?」
「何気なくデラックス版さらば宇宙戦艦ヤマトを見ていて、ストーリー解説の中でアンドロメダの進水式で波動砲前で玉が割れる絵を見て、絶句した」
「どこに?」
「絵は狂っているがアンドロメダの存在感が圧倒的なんだよ」
「ヤマト2202は狂ってないよ」
「そうさ。狂ってないけど、存在感もそこそこのレベルでしかない」
「つまりなんだい?」
「絵の上手さはとは、正しく描くことでも精密に描くことでもないってことさ」
「アップにすること?」
「もちろん違う。大きく描けばそれで良いという話でもない。同様にロングで描けばそれで良いという話でもない」
「理屈はない感性の話?」
「そうでもない。どこがどう上手いのか、理屈で説明できるよ」
「なぜしないの?」
「もはや、ただでレクチャーしてあげるほどの暇人ではないの」