十二人姉妹の九女、セプテンバーはお転婆だった。いつも、おしとやかな四女エイプリルを見習いなさいと言われていた。
しかし、ある日セプテンバーは暴れると誉められる世界があることを発見した。セプテンバーは家出して無法の世界で好き勝手に生きた。
時々、心配をしたエイプリルが見に来たが、忠告には耳を貸さなかった。
セプテンバーは毎日大暴れしてスカッとした。生活費は、バーの用心棒や地下闘技場で稼いだ。
だが、将来設計を考えない生き方は身体に負担を掛ける一方だった。足腰がすっかり弱くなったセプテンバーは何も無い道で転んでしまうことすらあった。
セプテンバーは、いつの間にかお転婆から、転んだ婆になっていた。
(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)