「宇宙戦艦ヤマトに巨大ロボットは入り込んでいない」
「スーパーロボット大戦では入り込まれたらしいぞ」
「21世紀ヤマトは忘れろ」
「それで?」
「でもよく考えると、合体巨艦ヤマトの艦橋はロボットだった」
「つまりなんだい?」
「意外と一般人の意識の中では、ヤマトの一部または全てがロボットであっても違和感はなかったのだと思う」
「でも、実際はロボットになっていないよ」
「ヤマトのスタッフには強いロボットへの忌避感があって、やりたくなかったのだと思う。西崎さんとか松本さんとか。同じ気持ちはたぶん同時代のゼロテスターのスタッフにもあったと思う」
「でも、客層はそう思っていなかったと?」
「そう。客層は産まれた時からアトム鉄人でロボットに浸った層。彼らはマジンガーZをスタンダードとして受容していて、そこからの極端な逸脱は望んでいない。だから、ロボットが出ていればそれなりの人気は出たと思う」
「その方が良かったと思うかい?」
「いや。思わない。なぜなら、ロボットを出した瞬間膨大なロボットアニメの海の中の”One of them"になってしまい、印象に残りにくくなるからだ。忘れ去られて再発見されたアストロガンガーでも思い出せ」
「おかげで、ヤマトの前にヤマトなく。ヤマトの後にヤマト無し」
オマケ §
「かつてはスポンサーの都合……という理由でかろうじて許容されていたロボットという悪癖。いい加減、もう終わりにして欲しいなあ」
「君の願いだね」
「でも、客の願いなんだよ。ロボットは」
「遠い流れ星に願いをかけて、ガイキングいらないから大空魔竜だけ出して下さいと願ってくれ」
オマケIII §
「ドリルは基本というのなら、海底軍艦の前身であるイ-403にはどうしてドリルが付いていないのか説明してくれ。話はそこからだ」
「は?」
「いや、そういう文言を思い付いただけ」
「なんで?」
「ヤマトにもドリルミサイルとかあるからさ」