2017年08月17日
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三百字小説『小太り爺さん』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 小太り爺さんは女装をして夜の森をこっそり歩いていました。すると、鬼が宴会をしています。様子を見ていると小太り爺さんは鬼に見つかりました。

 「太ってるから売り飛ばすこともできん。焼いて食うか?」

 「たっぷりサービスするから許してください」

 小太り爺さんは、鬼達にカマを掘られました。喜んだ鬼達は、爺さんに土産をくれました。爺さんは金銀財宝を手に入れました。

 それを聞いたイケメン爺さんは自分も金銀財宝が欲しくなりました。そこで彼は完璧な女装で夜の森に行きました。すると鬼が宴会しています。

 「なんと見事な女装だ。売り飛ばしたら金になるぞ」

 イケメン爺さんを売り飛ばして、鬼達は金銀財宝を手に入れました。

(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)

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