2017年09月23日
川俣晶の縁側過去形 本の虫感想編 total 1602 count

だれも知らない小さな国の秘密の言葉に気づく

Written By: 川俣 晶連絡先

「さとうさとるのコロボックルシリーズに、今頃発見があった」

「それはなんだい?」

「シリーズ5作のタイトルを並べてみる」

  1. だれも知らない小さな国
  2. 豆つぶほどの小さないぬ
  3. 星からおちた小さな人
  4. ふしぎな目をした男の子
  5. 小さな国のつづきの話

「それがどうした」

「実は、3冊目までは全て【(7音の形容)+小さな+(2音の名詞)】になっている。ところが、4と5はそのフォーマットに沿っていない」

「えっ」

「4冊目は異質だという印象が裏付けられた形だ」

「5冊目は?」

「時間的に離れていて、遠い感じがあるが物語としては延長線上にある」

「いったい何が起きたんだ?」

「4冊目に関しては内容も異質だからタイトルも異質という解釈が有り得る。5冊目に関しては、やはりフォーマットからの逸脱が気になる」

「なぜ逸脱したと思う?」

「フォーマット通りの良いタイトルを考えられなかったか。それとも、編集部の要望か、三部作に含まれないからフォーマットを踏襲しなかったのか。それは何とも分からない」