三百字小説『破滅のアッコちゃん』

　アッコは破滅の女王でした。

　関わる者を全員破滅させるのです。

　ある者は失恋し、ある者は破産しました。

　おかげでアッコは敬遠されるようになってしまいました。

　「これではいけない」とアッコはイメチェンを決意しました。

　整形を繰り返し、清純少女、おさげのモコちゃんとなったアッコは一人の少年と恋愛関係になりました。

　これでハッピーエンドかと思ったアッコですが、そうは行きませんでした。

　モコの正体がアッコだとばれてしまったのです。

　「俺を破滅させるために変装したんだろう」と少年は誤解して逃げてしまいました。

　アッコは失恋した上に整形費用で破産しました。

　「さすがは破滅の女王。自分を破滅させて終わったか」と人々は囁きました。

(遠野秋彦・作 ©2017 TOHNO, Akihiko)