「うーん」
「悩んでいる」
「最後はちょっとだけ面白かったけど、誉めて良いのかは微妙感が……」
「どこが問題なんだい?」
「テレビや映画の映像業界に広がるトンデモ思想がストレートに反映されていて、トンデモなのに突飛さが無い。想定される範囲に綺麗に収まってしまう。悪い意味でのパターン通り」
「しかも、それを確信犯でやっているから気落ちが悪いのだね?」
「そう。実は映画として一番大事な【意外性】が不発で終わっている」
「えー」
「太陽系連合も頭が良さそうに見えない。というか、子供の妄想レベルでね。こういう映画では何となく賢そうに見せる演出を行うべきところ。でも、これでは普通の大人より賢いようには見えない」
「なんてことだ」
「宇宙船のセットも工夫がなさ過ぎる。予算が無くてもスペースが無くてもやれることはいろいろあるだろう」