2018年05月05日
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続々・善福寺川関東バス車庫支流(仮称)

Written By: 川俣 晶連絡先

「この話題に続きがあるとは思わなかった」

「関東バスの車庫を見に行ったのは2011年。今から7年も昔だね」

「そうだ。しかし、どこに接続しているのか上流部は良く分からなかった」

「なぜ続きが勃発したんだい?」

「実は、建設中の建物の横に妙な空き地を発見してね」

「どこだい?」

「以下の地図で言うと、A~Bは2011年時点での確定範囲。C~Dは今回気になった空き地」

「B~Cは何の線だい?」

「この間の接続を仮定できれば、連続性を想定できるかもしれない」

向きの問題 §

「C~Dは善福寺川と神田川の中間ぐらいに見えるけど、神田川の支流ではないと考えた理由は?」

「ここから神田川に接続すると人見街道をまたいでしまう。水路は主要街道と交差することを嫌う……と仮定して善福寺川への接続を想定した」

「ってか、主要街道の方が水路を避けて通されることが多いよね」

接続線の問題 §

「B~Cは直線だと思うかい?」

「地図で見る土地の区割りや、現地の微低地微高地などをみる限り、やや西に膨らんだ曲線で接続されるとスムーズという気がする。もし、そんな水路があるのならね」

上流端 §

「上流端はどこだと思う?」

「井の頭通りの北側に、マクドナルド、ダイソー、コジマ、サミット、三菱自動車などが集まっている区画がある。このあたりが湿地で上流端になるのではないかと睨んでいる。その北も大きな建物が並んでいる場所は候補になる」

「確証は?」

「ない」

「それにも関わらずそこだと睨んだ理由は?」

「水に関係する土地は売れにくいので大規模施設が建ちやすいので」

時期の問題 §

「おそらくB~Dは天然河川ではないだろう、と考えている」

「理由は?」

「天然河川なら存在するはずの谷地形が見えてこない」

「人工水路ってことだね」

「問題はいつ頃作られたものか」

「それも良く分からない。宅地の下水なら単に水路があるだけで良いが、農業用水だとこの水路に水を供給する別の水路も見いださねばならない」

「別の水路はあり得るの?」

「神田川南部に玉川上水があるように、神田川と善福寺川の間に水路が存在したという菊川さんの仮説には一理がある。農業したければ水路を引けば良いからだ。そして、昭和22年の航空写真に実際に農地はいっぱい写っている」

感想 §

「よもや、またここに戻ってくるとは思わなかったな」

「ずいぶん自転車で走り回った場所だね」

「そう。でも結局は良く分からなかった」

「今回のこれですっきりした?」

「やっぱり、良く分からなかった。この線が正解とも断言できない。もっと違う線かもしれないし、そんな線はないのかも知れない」

追記 §

B~C間の水路が存在したかもしれないと考えた傍証の1つが送電線の存在。ここには高井戸線があって、近くに高井戸線32号鉄塔があります。送電線は、空中権を取得する便宜の関係上、水路の上を通ることが多くあります。ですから、昔はこの下に水路が存在した可能性はあると考えました。

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