2018年05月10日
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三百字小説『ダックスフントの奮闘』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ダックスフントのダックはなかなか自分の買い手が付かないことに悩んでいた。

 隣のケージにいた足長フラミンゴが売れる光景を見てダックは考えた。

 この短足がダメなのか。

 ダックは、足を伸ばそうと努力した。

 ダックは夢見た。

 長足の八頭身となったダックが、金持ちのペットとして買われていくのだ。

 しかし、足は伸びなかった。

 そもそも、神さまに与えられた足の長さはそうそう簡単に変わらないのだ。

 そこで、ダックは悪魔と契約した。

 「長い足をください。他には何も要りません」

 「いいだろう。ちちんぷいぷい」

 ダックは長い足だけになり、身体は消えた。

(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦