ケータはスケートボードが得意なプロスケーターだった。
ある日、イベント出演を依頼されて快諾した。彼の華麗なテクニックを見せるチャンスだ。
ところが当日行ってみるとそこは氷を張ったアイスショーの会場だった。何と依頼主はスケーターとはアイスススケートをする人だと思い込んでいたのだ。
ケータは困った。
しかし、そこで発想を転換した。
車輪を外して歯を付けて氷上を滑ろう。
ケータは最初のうちは戸惑ったものの、すぐにコツを掴んだ。
そして、アイススケートボードの華麗なテクニックを披露した。
観客は大満足だった。
「プロスケーターのスケータさんの演技でした」
ケータは氷上でずっこけた。
(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)