2018年06月22日
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三百字小説『スケーターのケータ君』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ケータはスケートボードが得意なプロスケーターだった。

 ある日、イベント出演を依頼されて快諾した。彼の華麗なテクニックを見せるチャンスだ。

 ところが当日行ってみるとそこは氷を張ったアイスショーの会場だった。何と依頼主はスケーターとはアイスススケートをする人だと思い込んでいたのだ。

 ケータは困った。

 しかし、そこで発想を転換した。

 車輪を外して歯を付けて氷上を滑ろう。

 ケータは最初のうちは戸惑ったものの、すぐにコツを掴んだ。

 そして、アイススケートボードの華麗なテクニックを披露した。

 観客は大満足だった。

 「プロスケーターのスケータさんの演技でした」

 ケータは氷上でずっこけた。

(遠野秋彦・作 ©2018 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦