「宇宙戦艦ヤマトは本来ガミラスが滅びる話であったが、なぜかリメイクによってガミラスは赦されるという話に結末が変貌する。ここは全く意味不明の改変で、物語の根幹に関わる部分だと思う」
「えー」
「山ほど地球人を殺しておきながらなぜか赦されてしまうガミラスという不思議な価値観はどこから来るのか。そんな発想はどこから出せるのか。そのヒントになるような文章を1つ見つけたよ」
「要するに、なぜか赦されてしまうかちかち山のたぬきと、なぜか赦されてしまうガミラスは同じようなもの、ってことだね」
「そう。大きな流れの中にある。そして、それは多数派ではない」
「そう改変しなければ客が受容しない……という主張そのものが俗説で正しい主張ではない……ということだね?」
「そうそう。無駄に残酷な作品など今でも山ほど作られていて、それらがみんな商業的に失敗したという話も聞かない」
「でも残酷な話など見たくないという人もいるよ」
「そりゃいるだろう。でも声が大きいだけで多数派ではないと思うよ」