サマンサは、目白の豪邸に住む姉から日本に招かれた。
「緑の電車に乗って目白で降りるのよ」とアドバイスされたが1文字しかサマンサは覚えなかった。
緑の電車に乗ったサマンサは「目」で始まる駅で降りた。
そこは目白ではなく目黒だった。
そこで、壮大な雅叙園を見たサマンサはこれが行き先の豪邸だと信じた。
姉の姿は見えなかったが、サマンサは予定通りそこで働くことにした。
ビックリした姉は慌ててサマンサを目白に連れて行った。
しかし、サマンサは目黒が気に入っていて、病気になってしまった。
止むを得ずサマンサを目黒に戻すと彼女は元気になった。
姉は言った。「サマンサは目黒に限る」
(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)