2019年06月06日
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三百字小説『伊豆のじゃぱにいず』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 伊豆にジャパニーズがいると聞いた俺はさっそく伊豆行き特急に飛び乗って伊豆半島へと向かった。

 終点下田で下車するとさっそく聞き込みを行った。

 「このあたりでジャパニーズを見なかったか?」

 「なんだいそりゃ」

 「日本人のことだ」

 「それなら目の前にいるよ。俺もあんた日本人だろう?」

 「違う。俺は日系アメリカ人だ」

 「だったらおいらも日系下田人だ」

 ああ、ジャパニーズはどこに消えたのだろう。

 俺のジャパニーズ捜しの旅は続く。

 意外と振り返るとそこにいるような気がする。

(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)

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