2019年07月18日
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三百字小説『シブヤのシブタニさん』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 シブヤにはシブタニさんが住んでいた。

 しかし、ある日、彼は文句を言われた。

 「シブヤのシブタニっていうから、どんな渋い男かと思ったら子供じゃん」

 そんなことを言われる筋合いはないと思ったが、彼としては名前負けしない渋さは身に付けたかった。

 彼は、「ガキの分際で生意気」と言われつつも【渋さの男スクール】に通った。

 ある日、彼は友達の前で決めポーズを取った。

 「どうだ。かなり渋くなっただろう?」

 「渋いけど、それ大人の渋さじゃない。ガキの渋さよ」

 彼はショックを受けた。

 ショックのあまり、彼は渋柿になった。

(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)

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