「あまりにも世間の評判が酷いのでワクワクしながら見に行ったぞ」
「なぜワクワクするの?」
「だいたいオタクが非難する映画って、まともな映画のことが多いからだ。おたくが盛大に非難している映画を見に行けばだいたい当たり」
「……」
「というわけで、見る予定では無かったが見てきた」
「ミルドラース?」
「見る予定だって」
「それで結果はどうだった?」
「序盤で、【あれれ、これって凄くいい感じの映画だぞ】という印象になって最後まで裏切られなかった。きちんと筋が通った良い映画だった。120%の優れた完成度の良い映画だと思う。やはりオタクは映画を見る目が無いね」
「えー」
「全く、これだけの映画を作ったのに悪評を立てられてスタッフも良い迷惑だろう」
「じゃあ、もうちょっと具体的に」
「ゲームの映像そのものから始まる序盤にせよ、5を名乗らないことにせよ、天空の花嫁ではなくユア・ストーリーになっていることにせよ、最後まで見ると綺麗に全て収まってしまうのは見事な構成だね」
「それだけ?」
「登場人物が全て生々しい。生きている感じがする」
「なるほど」
「それに、家族勢揃い(パパママ息子ペットの猫、スラリン)でゲマに向かって戦いを挑むところの高揚感とか、凄くいいよ」
「他には?」
「ネタバレになるからあまり詳しいことは言えないがね」
「心ないマニアがどんどんネタバレしているらしいぞ」
「知らんがな。そうそう。空飛ぶ船が出てきても全くFFに見えないところが良いと思った」
「何か心残りはある?」
「ヘンリー王子はもっと出番があっても良かったと思うし、ルドマンに求婚する主人公というのも見たかった気がするが、まあそこまで行かなくて十分に良い映画だ」
「一家総出でゲマに立ち向かっていく高揚感だけで十分に良いってことだね」