2019年09月26日
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三百字小説『社畜になったシナチク』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 シナチクは決意した。

 いつまでもラーメンの具と思われるのはイヤだ。

 そこで一人前の男になるため就職した。

 見る見る出世した彼は課長シナ耕作と呼ばれるまでになり、部下のメンマ達を仕切ってバリバリ働いた。

 ある日懐かしいラーメン屋に入ると裏でこそこそチャーシュー達が噂しているのが聞こえた。

 「シナチクの奴、ここを出て社畜になったらしいぜ」

 「おおイヤだ。会社の命令一つで動くのは」

 思わずシナチクはその場に踏み込んで言った。

 「何が社畜だ。家畜の成れの果てのおまえらに言われたくない」

(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)

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