Written By: 川俣 晶
大正のスポーツ万能の男勝り【御子柴初子】・実在した【はいからさん】が通る: 水泳選手、陸上選手、映画女優、割烹女将、アサヒグラフの水着表紙を経験した少女
「結局、短い本を1冊書いてしまったよ」
「それはどうしてだい?」
「判明した事実は少ないが、あまりにも大きいからさ」
「えー」
「結局、調査のために国会図書館にも都立図書館(広尾、多摩)にも行ったが、分かったことはほんの少し。でも分かったことだけでもちょっと常軌を逸していた」
「大正時代の凄い少女の話は凄かったのだね?」
「厳密に言えば、凄い少女が男女差別的な日本社会に抑圧されていく光景が見えてしまってなあ」
「これは大正時代の凄い少女を称えるはずが、結局日本の闇を暴いてしまった。今だって男女差別は酷いからな」
「伝統なんだから女は家庭に入って子供を産め的なことを言う政治家がいるとかだね」
「しかも、それは日本の伝統ではない。伝統詐欺。それで上手く行ったという歴史もない」
「要するに、差別、いじめは犯罪として裁かれないのが日本の美しい伝統。その陰で泣いた者達は、理不尽な抗議を行う反社会的な者達として排除されてしまう素晴らしい国。そういうことが良く分かった」
「開けちゃいけない箱を開けちゃったんだね」
「でも書いて良かったし、調査はこれからも継続する。まだ内容未確認の資料もあるしね」