2019年11月08日
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三百字小説『生姜の里のショウガール』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ショウガールはダンスの上手さと美貌とナイスバティが自慢だった。そのショウガールに、生姜の里から踊ってくれと依頼が来た。

 依頼が来たらどこでも踊るのがプロである。

 ショウガールは生姜の里に向かった。

 だが行ってみると、ショウガ怪獣ショウガザウルスのかぶりものをかぶってショウガ踊りを子供の前で披露する仕事だった。ショウガールの自慢を何も活かせなかった。

 ショウガールは、「これは自分の仕事ではない」と抗議しに行った。

 だが生姜の里の村長は答えた。

 「それはしょうがない。生姜の里だけに」

(遠野秋彦・作 ©2019 TOHNO, Akihiko)

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