男なのに女として育てられた少年、リボンシトロンは、妖怪達に身体のパーツを奪われてしまった。リボンシトロンは自分の身体のパーツを取り戻すべく妖怪退治を始めた。
「よくも仲間を倒してくれたな。わしが最後の妖怪、どろ田坊だ。返り討ちにしてくれる」
「待て。私はおまえと戦う気は無いんだ」
「なんだと。わしを倒さねばおまえの男性器は二度と戻らないぞ」
「それで……いいんだ(ぽっ)」
男なのに女として育てられた少年、リボンシトロンは宦官として宮廷に入り、皇帝の寵愛を受けて出世したという。
めでたしめでたし。
「めでたくない。わしは使い道のない男性器を持ったままだ」
(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)