2020年01月16日
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三百字小説『ジャングル大帝ダジャレ王』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 ジャングルの偉大なダジャレ王は死んだ。

 そこで、後継者にその息子が立ち上がった。

 動物達は新ダジャレ王に新しいダジャレを願った。笑っている間だけは誰でも食べられないからだ。

 新ダジャレ王は父親に負けないように必死にダジャレを考えた。

 そしてついに新作発表会になった。

 新ダジャレ王は言った。

 「そのシマウマは美味い?」

 動物の味を問題にするのはジャングルのタブーだった。

 一同は凍り付いて誰も笑わなかった。

 その間、シマウマは全員肉食動物に食われていた。

 「我々の腹を満たしてくれる新ダジャレ王万歳!」と肉食動物達が叫んだ。

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

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