2020年04月09日
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三百字小説『俳句魔竜ハイキング』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 魔竜の趣味はハイキングに行き、そこで俳句を詠むことだった。

 「魔竜さん魔竜さん、どうしてハイキングで俳句を詠むのですか?」と子供が質問した。「ハイキングはハイクともいうから俳句なんですか?」

 「違うよ坊や」と魔竜は答えた。

 「じゃあ何?」

 「そんな質問をしてくる馬鹿な子供を食べてしまうためさ」

 魔竜は子供を一飲みにした。

 「ここで一句。胃袋や子供飛びこむ喉の音」

 子供が魔竜の胃の中で「季語がねーぞ」と叫んだ。

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦