「ああ。これは凄い」
「どう凄いんだ?」
「前半、正直つまらなかった」
「ふむふむ」
「ところは、一の国でのアクションのあたりから急に面白くなってな」
「どういうことだい?」
「陳腐なファンタジーは偽装でな。実際はもうちょっと違う映画であった」
「具体的にどういうことなんだ?」
「前半は後半への助走。なんだか分からない中二病設定が突然全て物語を盛り上げる手段に変化するんだ。見事なものだ」
「他には?」
「これは事実上のジブリ映画。しかも、レベルファイブ。ある意味で理想的な布陣だ。監督が百瀬義行さんと分かっていたらもっと早く見たかも」