2020年07月16日
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三百字小説『バルコニーのバニーガール』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 コニーちゃんはコスプレイヤーだった。

 ある日、コニーちゃんはバニーガールの服を着て自撮りしてネットにアップした。

 そのあとバルコニーに出て夜風に吹かれた。

 そのとき、ウサギが出て来た。

 「あなたどこから来たの?」

 「ウサギの国さ。ウサギが住む国に行かないか? そこに行くと一年中ウサギの格好で暮らせるよ。それに仲間がいっぱいいるよ」

 「女装のアニキでもいいの?」

 「えっ?」

 ウサギはコニーちゃんの股間を見た。

 そこは膨らんでいた。

 コニーちゃんとは小兄ちゃんだったのだ。

 「さいなら」ウサギはその場で消えた。

(遠野秋彦・作 ©2020 TOHNO, Akihiko)

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