2021年05月03日
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三百字小説『ブインで戦死した幽霊は幽霊部員』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 幽霊部員は部長に呼び出された。

 「一人軍隊の手伝いを差し出せと言われたが、みんな部活で忙しい。おまえなら練習にも出てこないから人質に差し出すのに丁度いい」

 「えー!」

 幽霊部員はラバウルに派遣されて食堂の手伝いをやらされた。

 しかし部隊がブインに移動になり、幽霊部員も移動した。

 そこで敵軍の大空襲があった。

 「うわ! 死ぬ!」と思ったが、幽霊部員は運良く死ななかった。

 でも、職場のイジメに遭って幽霊部員は自殺してしまった。その事件は、内密に処理するため、幽霊部員は戦死扱いにされた。

 無念すぎて、幽霊部員はブインの幽霊になった。

(遠野秋彦・作 ©2021 TOHNO, Akihiko)

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