2021年11月09日
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UQ HOLDER連載第189回感想【ネタバレ注意】

Written By: 川俣 晶連絡先

「ガルム隊もメビウス隊も吹っ飛ぶラストシーンの衝撃」

「それは予想外だった?」

「UQ HOLDERの結末は、UQ HOLDERのみなら魔法先生ネギま!の決着も付けるという意思表示だね」

「ネギ+刀太による雪姫救出はそうなるのか?」

「実は、UQ HOLDERは刀太と雪姫の関係から物語がスタートしているが、ネギま!の最初の有力なネギの敵はエヴァそのものなのだよ。だから雪姫救出はどちらの物語から見ても結末に相応しく、双方の物語の主人公が共同で取り組むとすれば、これは物語の構造として上等だ。見事だ」

「それだけ?」

「そうじゃない。実はネギという存在が念入りに調整されている。敵は既にネギ=ヨルダではないから、そこからネギのイメージが解放される。しかも、ラストシーンに出てくるのは成長したネギではなく、我々が慣れ親しんだ子供先生的なネギだ。このあたりの設定とイメージの使い分けは上手い。子供先生としてのネギが登場したことで、ネギは刀太と等身大になる。依存できる存在ではない」

「つまりなんだい?」

「UQ読者を置き去りにしない形で魔法先生ネギま!の物語も完結しようとしているようで、そのあたりの構成も上手さはさすがだと思うよ」

「そもそも、コズモエンテレケイアそのものが魔法先生ネギま!の結末そのものではあるが、UQ Holderの世界観で描かれているわけだね」

UQ HOLDER