野良仕事をしていたお爺さんは、そろそろ昼飯にしようと、おむすびを取り出しました。
ところが、うっかりおむすびを落としてしまいました。
「コロコロ転がって穴に落ちては困る」
しかし、最近のコンビニおむすびはみんな三角なので、転がりませんでした。
「ラッキー」
お爺さんは、おむすびを拾って包装ビニールを取って食べてしまいました。
それを見ていたゴブリンは「俺も腹が減った」と思いました。でも、いちばん近いコンビニは五キロは先だし、お爺さんと違って車の運転もできません。
そこでゴブリンは閃きました。
「そこに美味しそうなお爺さんいるじゃないか」
おしまい。
(遠野秋彦・作 ©2021 TOHNO, Akihiko)