陽一はいつも仲間はずれだった。クラスで列を作るといつも端っこに立っていた。だから付いたあだ名は【ミスター端っ子】だった。
だがある日事件が起きた。
陽一は先端技術で表彰されたのだ。
端は端でも先端だったのだ。
陽一は得意になった。
クラスの全員が陽一を尊敬した。
陽一は天狗になった。
そして陽一はやらかした。
スカートめくりマシンを頼まれた彼は、うっかり間違えて女子に話してしまったのだ。
怒りの女子全員によって、陽一のズボンが脱がされた。
【ミスター端っ子】は【ミスター恥っ子】になった。
(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)