2022年06月13日
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三百字小説『マムシと玉虫』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 あるところに、マムシと玉虫が住んでいた。

 玉虫は虹色で人気があったが、マムシは気持ちが悪いと嫌われていた。

 「おれも人気が欲しい」

 そう思ったマムシは、玉虫のかぶりものを作って玉虫のふりをすることにした。

 作戦は成功し、マムシは人気者になった。

 しかし、ある日かぶりものがばれた。

 マムシの評価はガクッと下がった。

 「おまえなんか、玉虫じゃない」

 「そうだ。俺はマムシだよ」

 「おまえなんかむしだ」

 マムシはみんなから無視された。

(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)

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