Written By: 遠野秋彦
あるところに、マムシと玉虫が住んでいた。
玉虫は虹色で人気があったが、マムシは気持ちが悪いと嫌われていた。
「おれも人気が欲しい」
そう思ったマムシは、玉虫のかぶりものを作って玉虫のふりをすることにした。
作戦は成功し、マムシは人気者になった。
しかし、ある日かぶりものがばれた。
マムシの評価はガクッと下がった。
「おまえなんか、玉虫じゃない」
「そうだ。俺はマムシだよ」
「おまえなんかむしだ」
マムシはみんなから無視された。
(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)