2022年07月25日
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三百字小説『廃線マニアのパイセン』

Written By: 遠野秋彦連絡先

 僕のパイセンは廃線マニアだった。

 「ここにはかつて線路があったが、今は道路になっているのだ」

 「へえ」

 「オレの後輩なら廃線跡を見抜く目を鍛えないと」

 僕は多くの廃線跡を見て本を読んで目を鍛えた。

 その結果僕も廃線マニアになった。

 「むむ。ここは廃線跡ですよ」と僕はパイセンに指摘した。

 するとパイセンが言った。「眼力で鑑定するまでもなく、そこの案内板に廃線跡だと書いてある」

(遠野秋彦・作 ©2022 TOHNO, Akihiko)

遠野秋彦